医療法人の人件費について分かりません

 

個人事業の場合には超過累進税率が適用されるため、所得が上がるほど税率も上がり、高額な所得税と住民税を納付しなければなりません。売上から経費を差し引いた金額は所得となり、直接その所得に高い税率をかけることが可能です。それに対して、医療法人化すると所得を親族に分散することや、税率を下げることが可能となります。医療法人から給与として支払いを受けた際には、給与所得控除が受けられるのでその分が節税となります。
給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じた一定の算式で計算されます。平成25年より、収入が1,500万円を超える際の給与所得控除額については、245万円の定額とすることと改正されました。これに伴い、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表・日額表)」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」及び「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が改正されています。この改正は、平成25年1月1日以後に支払うべき給与等について適用されています。
医療法人において理事長は給与所得者となるため、役員報酬から給与所得控除を差し引いた金額が課税所得となり、給与所得控除分が節税できます。また、青色専従者だった妻が医療法人の理事に就いたときには、所得の区分は給与所得のまま変化しませんが、経営の一端を担うことでより多くの給与を医療法人から受け取ることが可能です。その分、院長は経営責任の一部が軽減されると判断して、個人診療所の事業所得より少ない報酬額に抑えるのが一般的で、所得税の累進税率構造から考えて家族トータルとしての税額が減少するため節税効果があります。

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